マフラーやスカーフを首・のどに巻いて温めると防寒としては効果的です。
でも、直接的な風邪予防になるという根拠はないようです。
なぜなら、寒いから風邪をひくわけではないんですね。
風邪をひく理由や、有効な予防法について、製薬会社の公式サイトや医療系のサイトをたくさん読んでまとめました。
どうぞご覧ください。
マフラーやスカーフで首・喉を温めると風邪の予防になるって本当?正しい予防法も紹介します。
主に、『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 重篤な疾患を見極める!』(医学書院)の著者 岸田直樹先生が日経Gooddayで解説された記事を参照しました。
▼岸田直樹先生の著書はこちらです。
風邪の予防法「暖かくする」?
「風邪をひかないように暖かくしておく」というのも、風の予防法としてよく聞きますよね。
でも、風邪はウイルスの感染症で、「寒いから風邪をひく」という明確なデータは今のところないそうです。
では、なぜ、寒いと風邪をひくと思われているのでしょうか。
それは、まず、風邪のウイルスは冬に広がりやすく、寒い時期に風邪を発症する人が多くなるからではないでしょうか。
実際には、冬の気候(気温や湿度)で風邪ウイルスが活発になるため、感染しやすくなります。
でも、私たちの体験として寒いときに風邪をひくことが多いため、寒さが原因のように感じてしまうんですね。
また、岸田直樹先生がもうひとつあげる理由としては、「熱が出るときに寒いと感じる」ため。
本当は、熱が出るために寒さを感じるのですが、それを「寒かったから風邪をひいた」と錯覚していると考えられているそうです。
風邪ウイルスに感染しない方法
風邪はウイルスの感染症です。
なので、ウイルスに感染さえしなければ、寒くても風邪をひくことはまずないと考えることができます。
そうなると、いちばん効果的な風邪予防法はウイルスのいるところに行かない。
できれば、家から一歩も出ないことになりますが、それは非現実的ですよね。
寒さが直接的な風邪の原因ではないとしても、寒いのを我慢する必要はありません。
適度な防寒対策で、快適に過ごしましょう。
首・手首・足首を温める
風邪ウイルス感染予防に直接的な効果は期待できませんが、「首」とつく部位を温めるのは効率の良い温め方です。
たとえば、首なら
↓ 1年中つかえる薄手のスカーフ、
↓ ひっぱりあげれば顔もおおえるネックウォーマー、
↓ 充電式で長時間使用できる電気マフラーなどもありますよ。
↓ 手首には指先フリーなアームウォーマー
↓ 足首もカバーできて底冷え知らずなルームシューズなども。
風邪ウイルスへの感染と、体感温度が直接関係ないとは言っても、体を冷やして良いこともありません。
あなたのライフスタイルにあった防寒グッズなども上手く利用して、快適にお過ごしくださいね。
いま紹介したもの以外にも、冬のあったかアイテムを思いつく限り紹介した記事もあります。
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■冬のテレワーク用寒さ対策グッズ12選!エアコン暖房のない部屋でも電気代を節約♪
風邪の予防法、どれが正しくて効果的?
それでは、医学的にも有効と考えられている予防法を紹介しますね。
風邪予防の基本3点セット
手洗い
岸田直樹先生が日経Gooddayの記事で名言されていました。
根拠があって、いちばん効果的な風邪の予防法は、手洗いとのことです。
いつ行うのが良いかというと、何かをさわる前と後など、こまめに手洗いするのが理想的。
でも、毎日の生活の中で徹底しつづけるのはむつかしいかもしれませんね。
ですので、帰宅直後と食事の前だけでも、かならず手洗いを実践すると良いとのことです。
消毒液を使うのもいいかもしれませんね。
手洗いで洗い残しがあるといけませんので、爪の先・指の間・親指・手首なども、もれなくしっかり洗いましょうね。
うがい
うがいは、のどの粘膜についたウイルスを洗い流すことが期待されます。
でも、ウイルスは早いと20分くらいで細胞内に侵入してしまうこともあります。
そのため、完全に洗い流せるかというと、むつかしいところですね。
でも、水うがいはほぼ害はなく、一部では効果も証明されています。
それなら、やっておいた方がいいですよね。
うがいは、普通の水や人肌くらいまでの白湯でするのが良いとされています。
ヨード水やうがい薬を使うと、口の中にいる良い細菌もダメージを受けてしまい、逆効果になることも考えられるみたいです。
また、白湯の温度が高すぎると、のどを乾燥させるのでご注意くださいね。
回数やタイミングにくわしい決まりはないそうです。
ですので、帰宅直後や、のどの調子が悪いときに行うといいですね。
1回目は口に含んでクチュクチュうがいで口の中を軽くすすぎます。
そのあと、ガラガラうがいを2~3回するとよさそうです。
マスク
マスクは、顔に密着するタイプの微粒子用マスク(N95マスク)でないと、ウイルスの感染リスクを低減できないと言われていますよね。
市販のマスクでは、スキマができるから、予防効果がないともいわれています。
でも、満員電車など多くの人が密な状態にある場所では、しないよりはしていたほうがいいですよね。
それにマスクをしていると、ウイルスがついた手で口や鼻をさわったために感染するリスクは、ある程度へらす効果もありそうです。
風邪の予防にやった方がいいこと
先ほどの「手洗い・うがい・マスク」の3点セット以外にも、多く見かけた予防を5つ紹介しますね。
製薬会社の公式サイトや、お医者様の書いた記事を参照しました。
- 十分な睡眠をとる
- 偏食・暴飲・暴食をしない
- 適度な運動で免疫力アップ
- 極端な厚着・薄着をしない
- 乾燥した所や人ごみを避ける
- たばこは控える
全てに気をつけても、完全に風邪を予防するのはむつかしいかもしれません。
でも、風邪にかぎらず、病気にならずに過ごすためには、自分自身の健康に関心を持つことが大切です。
とても基本的な、食事・運動・睡眠を適度にとって、健康の維持・増進に努めましょう。
風邪かな?と思ったら
本当に「風邪」なら、受診する必要はありません。
おとなしく寝ているのが基本です。
では、本当に風邪かどうか、どこで判断するかというと、風邪の3症状が揃っているかどうかです。
風邪の3症状は、咳・鼻水・のどの痛み。
その3つが48時間以内にそろえば、ほぼ風邪と判断してOK。
かならず寝込む必要はありませんが、熱があるなどで起きているのがつらければ、安静にしましょう。
汗をかいても早く治るわけではないので、室温は快適に感じる温度に。
また、食事は消化のよいものが理想的ですが、食欲があれば普段通りでかまいません。
逆に、食欲がなければ、無理に食べる必要もありません。
ただし、水分補給は欠かさないように気をつけてくださいね。
お風呂も、長風呂は良くないですが、サッと汗を流すくらいなら問題ありません。
おとなしく寝ていれば、通常の風邪なら2~3日で回復できるはずです。
こんなときは風邪じゃないかも…
次の6つの症状がある場合は、普通の風邪ではないかもしれません。
お医者様に相談してみてくださいね。
38℃以上の高熱が3日以上続く
ふつうの風邪でも、初日に38℃以上の高熱が出ることはあります。
でも、通常の風邪による高熱は、長くても2日くらいが多いです。
38℃を超える高熱が3日続いたら、風邪ウイルスではなく、細菌に感染している可能性が高まります。
深刻な状態になるまえに、受診したほうが良いかもしれません。
また、肺に持病がある人が38℃以上の熱を出したときは、3日待たずにすぐに受診したほうがいいとされています。
それに、風邪の3症状(咳・鼻水・のどの痛み)がまったくないのに、38℃以上の熱だけがみられる場合も、ふつうの風邪ではない可能性が高いそうです。
風邪の3症状がまったくないのに高熱がつづく場合は、2日続いたら受診しましょう。
腎臓が細菌感染している腎盂(じんう)腎炎などが考えられるとのことです。
いったん回復しかけて、ぶり返す
いわゆる「風邪をこじらせた」状態ですね。
良くなってきたと思っていたら、再び高熱が出る、咳がひどくなる、という場合。
こういうときは、細菌に感染していることも考えられます。
風邪のために、鼻やのどの粘膜が炎症を起こすと、免疫力が落ちて、細菌に感染しやすくなるんですね。
ウイルス感染の場合は、風邪の3症状や熱・倦怠感など複数の症状があります。
細菌感染は、原則としてして1つの臓器に1種類の菌が感染するため、1つの症状が激しく現れます。
思い当たる場合は、早めに受診しましょう。
寒くてガタガタと震える
風邪の諸症状にも、悪寒はありますよね。
でも、この寒気(さむけ)にはランクがあります。
最も強いものでは、ガタガタと体が震えて、止めようと思っても止まりません。
それは医学的に悪寒戦慄(おかんせんりつ)と言われています。
でも、通常の風邪で、そのような状態にまでなることは、めったにありません。
悪寒戦慄がみられる場合も、細菌感染の可能性が高まります。
早めに受診するのがいいですね。
のどが痛いのに、つばを飲み込んでも痛くない
風邪でのどが痛くなるのは、のどの入り口にある扁桃(へんとう)腺が、ウイルスに感染して炎症を起こしているためです。
だから、何かを飲み込むときに痛みを感じます(嚥下時痛(えんげじつう))。
なのに、つばを飲んでも痛くないなら、風邪ではない可能性が高いを考えられますよね。
例えば、心筋梗塞でも、首が痛いと感じることがあるそうです。
放散痛といって、胸の痛みが首や肩・のどなどに広く感じられる症状です。
もしも、心筋梗塞だったとしたら、命にかかわりかねません。
のどの痛みはつばを飲み込んだときに強く感じるか、チェックしてみてくださいね。
咳をすると胸が痛い
咳をすると胸が痛い、あるいは、痰(たん)に血が混じっている場合も受診したほうがよさそうです。
咳や呼吸をすると胸が痛いときは、肺炎や胸膜炎の可能性があります。
また、血痰(血が混じっているたん)が出るなら、結核に感染している可能性も考えられます。
結核は治る病気になりましたが、撲滅されたわけではありません。
結核は風邪と症状が似ていて、発見が遅れることもあるようですので、気をつけましょう。
咳が3週間以上続いている
風邪が治ったあとも、咳が長く続くことってありますよね。
その多くは、感冒後咳(かんぼうごせき)という風邪のなごりのようなものです。
でも、感冒後咳の場合は、2週間程度で自然に治っていくことが多いようです。
それに、咳が長く続いても、初期に風邪の3症状(咳・鼻水・のどの痛み)があったなら、普通の風邪だった可能性が高いそうです。
逆に、最初から咳だけという場合は心配です。
また、咳が3週間以上続くときも要注意。
咳が3週間以上続いているときは、肺がん・咳喘息(ぜんそく)・結核などの病気になっている可能性があります。
それ以外にも、後鼻漏(鼻水がのどに流れる)や胃食道逆流症(胃液が食道に上がってくる)などが原因で、咳が続いていることもあるそうです。
咳が3週間をこえて続くようなら、いちど受診してみましょう。
マフラーやスカーフで首・喉を温めると風邪の予防になる?まとめ
風邪をひく直接的な原因は、寒さそのものではありません。
だから、マフラーやスカーフで首・喉を温めても、風邪の予防になるとはいえないようです。
でも、だからといって、体を冷やすのも良くありません。
極端な厚着もいけませんが、気温に合わせて、適度に暖かくして快適に過ごしましょう。
そのためには、首・手首・足首を温めるのも効果的です。
ですが、風邪予防の基本は、手洗い・うがい・マスクの3点セット。
そして、日頃から適度な睡眠や、バランスの良い食事、運動などを心がけることも大切ですね。
どんなに風邪予防を徹底しても、風邪ウイルスを100%防ぐことはできないかもしれません。
ですが、自分の健康に注意を払うことを習慣づけて損はありません。
できることから、できる範囲で、風邪予防を習慣づけていきましょうね。